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『円形脱毛症診療ガイドライン2010』日本皮膚科学会の鍼灸治療に対する抗議文

会員各位  

                                       2010年11月17日

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010に、鍼灸治療の推薦度がDランク「行うべきではない」とされていますが、この判定は、ガイドラインの定義した決定基準にもとづいていないものです。当学会では、国民やガイドライン利用者に対して正確な情報を提供していないと判断し、社団法人日本皮膚科学会に正式に下記内容の抗議文を送り、ガイドラインの訂正を求めました。

 

 

社団法人 日本皮膚科学会
         理事長  飯島正文 先生
         作成委員長 荒瀬誠治 先生

     円形脱毛症診療ガイドライン2010の鍼灸治療の推奨度について

拝啓 晩秋の候、貴会におかれましてはますます御清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、貴学会誌の120巻9号(2010年)に掲載されました「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010」(以下、ガイドライン)について、鍼灸の学術的研究を使命としている学会として疑問点を指摘させていただきます。
 ガイドラインのCQ20「鍼灸治療は有益か」(1857頁)において、推奨度:D、推奨文:行うべきではない、とされております。ガイドラインにも引用されているように本疾患に鍼灸治療を試みた症例報告は幾つか発表されていますが、確かに有効性に関する強いエビデンスを示すようなランダム化比較試験やシステマティック・レビューは見当たりません。しかしながら、推奨度の分類(1843頁)でDは「行わないよう勧められる(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)」と定義されておりますが、円形脱毛症に対して鍼灸治療が無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスは示されておりません。
 委員会が鍼灸の項で引用されている症例報告を「良質な複数の后廖1843頁)と認めるか否かにもよって判定は変わるものの、いずれにしても鍼灸治療の推奨度は少なくともCのいずれかに分類されるはずです。
 すでにこのガイドラインで鍼灸治療がDにランクされていることは朝日新聞等のマスメディアでも報道されておりますが、これが既存のエビデンスにもとづくものでないことは明らかであり、鍼灸業界や学会に不当に不利益を与えるものであります。また、決定基準(1843頁)にもとづいた判定が行われていないことは、国民やガイドライン利用者に対して正確な情報を提供していないことになります。つきましては、貴学会およびガイドライン作成委員会におかれましては、以上の分類の誤りをお認めいただき、ガイドラインの訂正とその公表をお願いいたします。                                 

                                             敬具

                          社団法人全日本鍼灸学会会長 後藤修司

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