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学会雑誌について

『学術誌として、情報誌として』 −全日本鍼灸学会雑誌の使命−

  1. 学術誌として日本鍼灸の研究成果、治療報告を発信していくこと
    • 医学系の学会誌を構成する内容で何が重要かといえば原著論文と症例報告であるということについては異論のないものと思います。それでは、これらはどこに向けて発信すべきものなのでしょうか。
    • もちろん、第1は会員の皆様に向けてです。例えば、日常の鍼灸治療の有効性の根拠となる基礎・臨床研究成果を日頃そうした研究に時間を割くことのできない先生方にお示しすることは学会誌の最も重要な使命であると考えています。さらに具体的に個々の症例についての治療結果を報告していくことも重要です。例えば、鍼灸治療が奏功した症例、特異な経過をとった症例などです。こうした症例報告が先生方の治療に役立ち、患者さんに還元されることになれば、編集委員会としてはこの上ない喜びです。但し、投稿される原著論文、症例報告いずれにおいても十分根拠があり、読者である多くの先生方を納得させるものでなければならないことは言うまでもありません。
    • 第2の発信先はわが国の医学界です。本学会会員の多くは鍼灸師で、鍼灸師以外はわずかしかいません。従って、鍼灸師以外の医療従事者である医師、薬剤師、看護婦、理学療法士、作業療法士などに対して積極的に発信していく必要があると思います。従来、鍼灸といえば肩こりや腰痛などの運動器疾患あるいは疼痛を主訴とする疾患の治療方法としての認識が強く、それは確かにその通りで今後も研究を継続して発展させていかねばならない大きなテーマの一つですが、鍼灸はさらに多くの病態に対して適応があり、有用であり、しかもそれを証明する多くの証拠が既に集まっているということを広く示していく必要があります。この点でいえば、学会誌へ掲載することも重要ですが、それよりも他の医学系の専門誌に研究成果や症例を発表していくことも考えていかねばなりません。
    • 第3の発信先は世界です。これは今後本学会誌がもっとも力を入れていかねばならない発信先です。ご承知のように鍼灸は特に欧米で急速な広がりと発展をみせております。ところが欧米をはじめ諸外国の臨床家、研究者がわが国の鍼灸臨床、鍼灸研究の成果を知る方法は現在のところほとんどないのが現状です。欧米の鍼灸雑誌、代替医学雑誌あるいはそれぞれの専門分野の国際誌に日本から投稿されたものをみる以外これといってないかも知れません。本誌の各号それぞれ100部前後は海外へ発送されていますが、配送先はごく限られたところでしかありません。では、海外の鍼灸臨床家、研究者は自国以外の情報はどういった方法で仕入れているのでしょうか。これは先生方もご存じの通り世界的なデータベースを通じてです。Current contentsやMedlineなどがその代表です。情報があふれていると言っても過言ではない近年では、情報を取捨選択することは殊に重要です。世界中の誰もがこうしたデータベースを利用してその作業を行っておりますが、残念ながら現在わが国の東洋医学関係の雑誌で世界的なデータベースに掲載されているものはありません(中国の鍼灸雑誌では掲載されているものがあります)。日本の鍼灸の将来を考えると本誌はいつか必ず世界的なデータベースに掲載されなければなりませんが、今はそのための準備を着々としていくことが肝要であると考えています。
    • さて、このように多方面に向けて日本鍼灸の成果を発信していかねばならないことはご理解いただけたと思いますが、投稿論文がなければこうした発信はできません。是非とも投稿をお願い申し上げる次第です。
  2. 情報誌として会員相互の情報交換の場となること
    • 日常臨床にすぐに役に立つ情報を収集、あるいは提供頂いてそれを紹介していくことも本誌の重要な使命です。先生方の中には原著論文、症例報告(本誌では「臨床体験レポート」)も必要だとは思うが、もっと知りたいのは日常臨床のちょっとしたコツであるとか、知恵であるとおっしゃる方も多いかと思います。そういったコーナーがあれば毎回楽しみにみることができるのに!という声もあるかも知れません。編集委員会としても、雑誌が届くと毎回すぐに目を通さずにはいられないようなコーナーを作っていきたいと思っていますが、実はそのためのコーナーは既に用意してあります。それは「編集者への手紙」です。残念ながら、現在まで「編集者への手紙」にはあまり投稿がありません。 日常の診療活動で得られたちょっとしたヒントや思いつき、あるいは当初の予測と違った経過をたどった症例、最終的に思わぬ診断がついた例、あやうく失敗しかけた例などをどんどん書簡形式でご投稿下さい。詳しくは投稿規定(本誌51巻2号、p227)をご覧頂きたいと思いますが、1600字以内で書いてくだされば結構です。それらに対して同意見や反論などが続いて投稿され、その結果、誌上で熱い議論が繰り広げられるようになれば、編集者にとっても大きな喜びです。 「編集者への手紙」はまた本誌に掲載された論文に対する意見すなわちコメントや追加あるいは質問や疑問などを発言していく場でもあります。投稿いただければ、論文の著者から必ず返答をいただけるように編集委員会が責任をもって伝えます。
    • このほか情報誌として充実するように、(1)地方で開催されるものを含めた学会、研究会のご案内、(2)書籍の紹介、(3)海外文献の紹介などにも今後力を入れていきたいと考えております。
  3. 読まれ、親しまれ、投稿される雑誌となること
    • 本誌のような学会誌においてその誌面、内容が充実したものになるかどうかはひとえに会員の皆様のご協力が得られるかどうかにかかっております。編集委員会はそのお手伝いをしているに過ぎません。
    • まず、投稿論文がなければ何も始まりません。活発なご投稿をお願いします。次に、本誌が毎号親しく読まれて、誌面に対するご意見を頂くことにより、さらに充実した雑誌に成長していくことができると考えています。ご意見があれば、本誌「意見欄」かまたは、honbu@jsam.jp までお願いします。
    • 編集委員会はこれからもよりよい誌面づくりに向けて精一杯活動致します。どうかよろしくご協力の程お願い申し上げます。

(2002年 若山育郎)

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